フロン排出抑制法とは
「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」(略称「フロン排出抑制法」)により、フロン類の製造から廃棄まで、ライフサイクル全体を包括的な対策を実施するよう、平成25年6月、フロン回収・破壊法が改正、平成27年4月施行されました。
「フロン排出抑制法」によりフロン排出抑制法の施行に伴い、第一種特定製品の定期点検及びフロン類の充填は、「十分な知見を有する者」が実施することと、記録報告義務がユーザー様(管理者)に課せられました。
フロン対策の必要性
- オゾン層の保護のため
オゾン層が【特定フロン】等により破壊されると、有害な紫外線が急増する原因となる。 - 地球温暖化に対する影響を減らすため
「代替フロン」等の温室効果ガスが増加すると、地球温暖化に影響を与える。
「十分な知見を有する者」とは?
業務用冷凍空調機器への冷媒の充填から整備、定期点検技術、漏えい予防保全、機器廃棄時の冷媒回収技術の全てにわたって十分な知識を持った技術者の育成が必要であり、これまでの日設連認定の「漏えい点検資格者」を『第一種冷媒フロン類取扱技術者』とし、これに準ずる資格『第二種冷媒フロン類取扱技術者』を新たに創設するという資格制度を、平成26年度より開始いたしました。
『冷媒フロン類取扱技術者(第一種・第二種)』の知見、業務範囲とは
知見
第一種 冷媒フロン類取扱技術者 (日設連「漏えい点検資格者」資格を移行) | (1)冷媒の環境影響及び環境規制についての知識 (2)冷凍・空調に関する理論 (3)冷凍空調機器の運転に必要な知見 (4)フロンリーク防止関連の日冷工・日設連の規格・ガイドライン、規程類の知識 (5)漏えい点検の方法と手順に関する知見 (6)冷凍空調機器の運転診断に関する知見 (7)冷凍空調機器の保守サービスに必要な知識、実務経験 (8)冷凍空調機器の設置に関する知見 (9)冷凍空調機器へのフロン充填に必要な知見 (10)冷凍空調機器からのフロン回収に必要な知見 |
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第二種 冷媒フロン類取扱技術者 (新設) | (1)冷媒の環境影響及び環境規制についての知識 (2)冷凍・空調に関する基礎的な理論 (3)冷凍空調機器の運転に必要な基礎的な知見 (4)フロンリーク防止関連の日冷工・日設連の規格・ガイドライン、規程類の知識 (5)漏えい点検の方法と手順に関する基礎的な知見 (6)冷凍空調機器の運転診断に関する基礎的な知見 (7)冷凍空調機器の保守サービスに必要な基礎的な知識、実務経験 (8)冷凍空調機器の設置に関する知見 (9)冷凍空調機器へのフロン充填に必要な基礎的な知見 (10)冷凍空調機器からのフロン回収に必要な知見 |
業務範囲
(1)対象施設の所有者または管理者との事前打ち合わせ
(2)運転履歴、冷媒漏えい点検記録簿、チェックリスト等記録の確認
(3)システム漏えい点検(外観点検)
(4)間接法による漏えい点検(運転診断)
(5)直接法による漏えい点検(運転診断)
(6)記録簿及び点検チェックリストへの記載
(7)対象機器の所有者または管理者への報告
(8)フロンの充填に必要な機器の点検
(9)対象機器へのフロンの充填
(10)対象機器からのフロンの回収
対象者
- フロンメーカー
- 製造メーカー
- 所有者(オーナー)
- 使用者(事業者、テナント)
- 充填回収業者
- 破壊業者
「業務用冷凍空調機器分野の多くはフロンガスが使用されています。そのフロンガスが大気に放出されると 「地球温暖化」に大きな影響を及ぼします。現状のフロンガス回収量は3割と言われており、 このままのペースだと2020年におけるフロンガスなどの排出量は現在の約2倍になると予測されます。
そこで平成25年6月12日、「フロン回収破壊法」が制定され、平成27年4月に 「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」と名称を変更しました。 この法律の略称を「フロン排出抑制法」といいます。 「フロン排出抑制法」では、従来のフロン類の回収・破壊に加え、製造から、使用、廃棄まで 「ライフサイクル全体にわたる包括的な対策」が求められます。
フロン類とは
「フロン」は、20世紀の人類が発明した自然界には存在しない人工物質で、フルオロカーボン(炭素とフッ素の化合物)のことを一般的にフロンと言います。毒性がなく、人体に影響を及ぼさない性質をもつため、エアコンや冷凍・冷蔵庫などの冷媒として、 その他に様々な用途に使用しています。 フロンの中で、『モントリオール議定書』や『京都議定書』に基づき、 使用を規制し全廃をしていく特定物質のことです。 CFC(クロロフルオロカーボン)とHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)はオゾン層破壊物質、 そして、代替フロンと言われているHFC(ハイドロフルオロカーボン)は、 塩素を持たないのでオゾン層を破壊しませんが、CO2の数百倍~数万倍の温室効果によって多大な影響を与えます。
第一種特定製品とは
冷媒としてフロン類が使われている業務用エアコンや業務用冷凍冷蔵機器(自動販売機を含む)のことです。
管理者とは
業務用エアコンや業務用冷凍冷蔵機器を所有する事業者は、基本的にすべて管理者となります。 但し、例外として、契約書等の書面において、保守・修繕の責務を所有者以外が負うこととされている場合は、 その者が管理者となります。 なお、メンテナンス等の管理業務を委託している場合は、当該委託を行った者が管理者に当たります。
主な管理者例
- 事業所や自社ビル等を所有する事業者(各種団体・機関含む)
- 医療関係(病院、介護施設等)
- 学校関係
- 飲食業関係
- 農林水産業関係(食品工場漁船等)
- 宿泊関係(ホテル、旅館等)
- 運輸関係(冷凍冷蔵倉庫、鉄道、旅客機、船舶)等